弁護士という職業は医者と並び、お嫁さん希望者が殺到するセレブな仕事ですね。
アメリカでは弁護士は珍しくない、とやっかみ半分に唇を尖らせる方もおられます(借金地獄に苦しんでおられる方なら尚更)。
また、弁護士という職業が普段どういう仕事をしているのか、社会的にどういう存在意義があるのか、どれだけ立派であるのか、といった問題は大切です。
しかし、それは省略させていただき、個人が多額の借金を背負ってしまった場合に弁護士が何をしてくれるのか、という点に的を絞ってお話したいと思います。
債務整理を解決するため、弁護士を頼るのにメリット・デメリットはありますが、まずはメリットから弁護士、あるいは法律事務所に代って宣伝しておきたいと思います。
アメリカで6という数字は不吉として知られていますが、日本で不吉な数字は4です。
債務整理方法の「4」種類という数字は借金という明るくしようがない話題にふさわしく、不吉な予感(予感で終わらずに実際に借金を背負ってしまいましたが)を感じさせますが、債務整理における弁護士のメリットも4つ挙げることができます。
弁護士に依頼するぐらいなので、債務者の状態は相当に詰まっている段階だと思われます。
壁の薄いアパート(とは限りませんがそう仮定して)のドアには「借金返せ」と殴り書きされた紙が貼られ、電話(まだ残っている場合)は夜中でも明け方でも鳴り続けます。
もちろん出た場合には穏便にいつ返済してくれるのかをしつこく尋ねられ、また掛けます、と電話を切ったその1分後に掛けてきたりします。
相手も煮詰まっている状態だとストレートに「借金返せ!」と怒鳴られます。
電話だけではなく、実際に自宅や職場まで来て「借金返せ!」と迫ります。
そう、「取立て」です。
笑顔のかわいいタレントは企業を世間に宣伝する役割=仕事で、彼らの仕事は「催促&取立て」です。
仕事ですから追い立てることに関してはプロフェッショナルです。
事務所でお金の計算をしたりする仕事の人はまた別にいます。
連日に渡る容赦ない攻撃に、債務者は疲れ果てています。
この恐怖の取立てと催促を魔法のように弁護士は止めることができます。
その辺を歩いている弁護士はその魔法を使ってはくれませんが、債務整理の手続きを依頼した途端、弁護士は債務者にとって魔法使いになります。
実は弁護士が使っているのは魔法ではなく、法律です。
専門的に言うと「金融監督庁事務ガイドライン」に記載の3-2-2-(3)-②により、業者は債務者を催促して取り立てることができなくなります。
早ければ当日、遅くとも翌日にはこのメリットが発揮されます。
具体的に、留守電を含む電話や電報、自宅や職場などへの訪問が禁じられ、万が一業者が請求をやめない場合には、財務局から指導を受けたり営業停止の処分が下ります。
ひどい場合には2年以下の懲役を課せられたり300万円以下の罰金を払わなくてはならなくなります。
繰り返しますが、業者は法律を熟知しています。
弁護士から「受任通知」が発送された場合にはおとなしく引き下がります。
弁護士に債務整理を依頼する、非常に大きなメリットといえるでしょう。