大きく分けて4種類の債務整理の中で、最も有名な「破産」について書いてみます。
普段でも大変な出費をした時などに「破産する!」などと冗談で使いますが、実は立派な法律用語です。
破産宣告を受けることで(免責決定が下る=破産宣告)「破産」することができ、破産すると破産者の財産は処分されてしまいます。
何もかも失ったように感じますが、実は破産は世間のイメージより悲惨ではありません。
なぜなら破産の最大の特徴と言えますが、破産宣告以後、債務者が負った借金の返済義務がなくなるのです。
返しきれないほどの高額な借金を返さなくてよくなる、これはちょっと凄いことですよね。
もし財産を売って借金を返せるのなら、とっくに債務者は所有する財産を売るなり何なりして現金に替え、借金の返済に充てていた筈です。
ということは財産より借金の額の方が高かった、ということになります。
分かり易く例えると1000円借りて返せないから100円の消しゴムを手放して借金はチャラ、という感じです。
債務整理の方法の2番目は「特定調停」です。
借金は借りる人と貸す人がいないと存在できませんが、借りる人が債務者、貸す人が債権者です。特定調停では債務者と債権者が話し合い、返済条件を債務者の有利な方に調停していきます。
繰り返しますが債務整理は借金で行き詰った人を再生するための手段ですから。
もちろん話し合いは喫茶店や自宅ではなく、裁判所で調停委員のもと行われます。
利息制限法という法律があり、この法律で借金を見直すと(再計算)、債務=借金が減額されることがあるのです。
3番目の債務整理方法は「個人民事再生」です。
個人債務者のための再生手続きで、債務者の要件にあてはまり再生案が認められると、借金が「5分の1か100万円の多いほう」に減額することができます。
要件は2つあり、まず、将来継続的に収入を得る見込みがあるか、また借金の額が3000万円以下であることです。
継続的な収入とは定期的にもらう見込みのある給与などで、競馬で当てる、とかパチンコで当てる、と言った収入は指しません。
美しく若い女性が「パトロンならすぐ見つけられる!」というのも駄目です。
「借金をした人間になぜそんなに情けをかけるシステムになっているの?」と疑問を感じ始めた方も多いと思いますが、その問題はのちほどお話するとして、債務整理方法の最後の方法は「任意整理」です。任意整理は原則的に法律は絡みません。
債務者と債権者が勝手に話し合って返済条件を決める、という感じです。
債権者も1円も払わずに債務者が逃げたり、最悪の場合保険金を残さずに自殺したり姿をくらましたりするよりは、全額でなくてもお金は返して欲しいと考えますから。ただし債権者は多額のお金を貸せるほどですから、ビジネスとして金の貸し借りをすることで利益を得ているプロの業者です。
従って話し合いでもたいていは債権者の有利な条件を決められてしまいます。
借金を減らすための話し合いで逆に条件が厳しくなった、なんてことにならないように、もしこの任意整理を債務整理の方法として選ぶのなら、料金はかかりますが弁護士など専門家に依頼した方が良いです。
債務者の方ご本人であくまで条件を有利にしてやる、と燃えている場合でしたら誰も止めることはできませんが、相手の条件を厳重にチェックし、事前に十分すぎる勉強が必要です。